変わらず女神でございました

はなまる幼稚園(11)(完) (ヤングガンガンコミックス)

はなまる幼稚園(11)(完) (ヤングガンガンコミックス)

あれ、意外と悪くないぞ
 
雑誌掲載の最終回を読んだ時、それはそれは悲しくなったものでしたが、
こうして続けて読んでみると意外と自然な流れで驚いた。
連なる話は連続で読むに限りますね。今頃知るな馬鹿。
 
山本先生の異動が決まってからの、つっちーとの微妙な擦れ違いシーンは、
テンプレートながらもすごく好みでよろしゅうございました。
特にP88の、お互いが目を合わさず見つめるシーンとかもうね。
何、君達、俺をニヤケ死させるためにそんな事してるの?と疑うレベル。
 
杏が一歩大人になって、他の園児達もその思いに同調し、
叱咤された結果つっちーが疾走する所は、心がほっこり致しました。
失恋による、杏の涙は素晴らしいと思います。そこの要素を忘れてはならない。
 
とか随所随所のいい部分が光ってるがゆえに、
その全体の流れが始まる前に、終わってしまわれた草野先生のお話が残念でなりません。
自分の思いに気づいてちょっと悶々したと思ったら、即告白して終わりは随分切ない。
せめて上の擦れ違いに何かしらの形で絡ませれば良かったのにと一人ごちる。
…とは思うけど、あくまでも"幼稚園が舞台"で"園児が主役"という点を考慮すると、
この按配でよかったのかもなあ、と。加減が難しいねこういうのは。
 
巻末に収録された特別編に大分救われた感。
草野先生の「女を意識してるんだー」と、山本先生のお手手繋ぎの表情だけで、
あと半年は生きていけそうです。おい園児が主役じゃなかったのかよ。
 
優しい雰囲気に満ち溢れている漫画でした。
次回作もこうなってるのかな。機会があれば是非また手に取りたいところ。